入試で漢文を使用する受験生のみなさん、漢文の勉強は順調ですか?
特にセンター試験の漢文は簡単と言われており、「理系でも満点を取るべし!」などと言われますよね。
一方で、勉強法が今ひとつ確立されておらず、「ヤマのヤマでもやればいいんじゃない?」としか言われずに、途方にくれている方も多いと思われます。
今回はそんな漢文の勉強法について説明します。
私は「漢文は英語の軽量版」だと考えておりまして、その考えに基づいて今回は説明します。
- まずは英語と同様に、漢文を「単語(漢文で頻出の漢字)」「文法(句形)」「処理能力」の3つの要素に分けて、それぞれを鍛えるためにやるべきことを説明します。
- その上で、漢文の試験で合格点を取るための勉強法をマニュアルで示します。
ひとつの考え方として参考にしてもらえると嬉しいです。
目次
漢文を3つの要素に分解する
処理能力
英語と同様、漢文は日本語(現代文)と読む順番が異なります。
ゆえに、音読学習により漢文を読むことに慣れ、読解スピードをあげる必要があります。
まずは標準的な漢文を音読することから始めましょう。
オススメは志望校またはセンター試験の漢文の過去問です。
10年分くらいの問題文を音読教材にして、根気強く音読しましょう。
単語(漢文で頻出の漢字)
英語と比較して、漢文で覚えるべき単語(漢文で頻出の漢字)はすごく少ないです。英単語帳はどれも2000個前後の単語が収録されているのに対し、漢文には単語帳のような教材がほとんど販売されておらず、句形を覚えるための参考書に漢文で頻出の漢字が少し記されている程度であることからもわかりますよね。
ですから、わざわざ参考書で覚えなくても、処理能力を伸ばすための教材でまとめて覚えてしまえば良いのでは?と思います。
先ほどご紹介した漢文の過去問を10年分くらいを音読すれば、ある程度の漢文で頻出の漢字は網羅できるはずです。速読英単語みたいな感覚で利用すれば良いと思います。
文法(句形)
漢文の文法は一般的に句形と言われますよね。こちらも英語と比較して覚えるべき項目はとても少ないです。
句形が網羅的に収録されていれば教材は割となんでも良いと思います。
オススメは「古文・漢文の要点整理」です。これの漢文の部分を行うことで、句形をしっかり学習することができます。
漢文の勉強マニュアル
以上の考えを踏まえて、漢文の勉強法をマニュアルで示します。
このマニュアルに沿って勉強することで、上記で挙げた3つの要素を底上げした上で、解答能力も身につけることができます。
漢文の勉強で使う教材
上記で説明した通り、志望校の過去問とハンドブックで十分です。
それでは、この2つの教材の使い方をマニュアルにしたものを次に示します。
このマニュアルに沿って勉強することで、漢文で必要とされる能力を全て身につけることができます。
句形を身につけるための勉強
ハンドブックを用いて以下のことを行うことで、漢文に必要な句形の理解と暗記をすることができます。
- 文章を全て音読する。
- 重要な句形などにはマーカーを引く。
- 重要な句形などを数回書き写す。
- 過去問演習のときに辞書の代わりに使用する。
処理能力を身につけるための勉強
漢文の過去問の問題文を音読することで、処理能力の向上だけでなく、漢文で頻出の漢字や句形も身につけることができます。
- 音読を最低でも5回は行います。
- わからない漢字・句形はスマホで調べ、最低でも3回は書き取りを行います。
- 読み方がわかりづらい漢字には読み仮名を振り、スラスラ音読できるようにします。
- 漢文の音読を2~3回行うごとに現代語訳の音読を行い、深く・早く漢文を理解できるようにします。
解答能力を身につけるための勉強
漢文の過去問の模範解答(正解の選択肢)を写経することで、正しい解答を身体に染み込ませることができます。解説を熟読し理解することで、解答能力が高まります。
- 模範解答(正解の選択肢)を最低でも3回は書き写します。
- 解説を熟読して、次からは正しい解答ができるように深く理解します。
例)「どの段落から解答根拠を拾ってきたのか」「解答根拠をどのように整理して、解答のように表現したのか」など
- 設問の上に、解答根拠となるのが何番目の文章かをメモしておきます。
例)設問3の解答根拠が4番目の文章から9番目の文章の間にあるのであれば、設問3の上に「④~⑨」とメモしておきます。
演習に取り掛かる前に、この下準備を行うことで、演習をスムーズに行えるようになります。
- 文章を読んで、設問に解答します。記述の場合は模範解答と同様の答えが書けていれば正解です。
※先ほど設問の上にメモしておいた段落だけを読んで解答をすれば、時間の節約になります。
以下の関連記事を参考に、間違えた問題は解けるようになるまで繰り返し解きましょう。
勉強したことが身についているかの確認
まだ解いていない漢文の過去問を用いて、点数を測定します。
- 解答時間を設定し、問題を解きます。
※解答時間は(試験時間)×(漢文の配点の割合)に設定します。 - 採点をし、点数を集計します。記述の場合は、設問ごとに「だいたい合っていて満点、少し間違っていて半分、それ未満は0点」という風に大雑把に点数をつけます。
- 復習します。上記の「処理能力」「解答能力」を身につけるための勉強を行えば大丈夫です。
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