この記事は私がオーナーとして以前に運営しておりましたオンラインサロン「大学合格サロン」でのやりとりを、加筆訂正した上でまとめたものです。
サロン生からの質問
質問に対する私の答え
以下の場合でしたら学部です。
- その学部でないと資格取得ができない場合(医学部・看護学部・薬学部etc)
- 自然科学系の大学院への進学、大手企業や研究所への技術職・研究職としての就職を目指す場合(工学部・農学部etc)
①については説明不要として、②については実験器具の取り扱いや共同研究の作法などを覚えるために、理系学部への進学はほぼ必須になります。
プログラミングや理学系の学問はパソコンだけで完結できるので、他学部に進学しつつ(というか大学に行かなくても)自分で勉強して結果を出すということも可能です。
一方で、ハードが絡む分野は個人で実験器具を用意するのは場所的にも金銭的にもほぼ不可能ですから、理系学部への進学がかなり最適解ということになります。
①②に該当しないのでしたら、大学でしょうね。
文系学部全般で学べる知識って別に本やネットで勉強できる、というか1倍速の巻き戻し・早送り不可のライブ講義を受けるよりも図書館で本を何十冊も借りて読み込んだ方が何倍も勉強になります。
講義の質も全然良くないですし。
というのも、
- 教授だって本音を言えば自分の研究に時間を費やしたいので、毎年同じような資料を使いまわしたりして負担がかからないように工夫します。
- 学生の方もさっさと単位を取って遊びやバイト・インターンに時間を使いたいですから、楽に単位を取れる(=内容がスカスカの)講義をみんな選択します。
そりゃ講義の質が良くなるわけないですよね。
文系学部に進学したら、「試験前に過去問をかき集めて、それの答えを丸暗記してテストに挑み単位を取得。それ以外は全部遊び・サークル・バイト・インターン・自分の勉強etc」みたいな大学生活になると思いますよ。
受験生は「xx学部でxxを勉強するんだ!」みたいなことを言う方が多いですが、実際大学に入ってみるとみんな遊んでますからね…。笑
というか、本当に勉強したいのであれば今まで自分で本でも購入して自分で勉強しているはずで。
建前であることを素直に認めて、大学の実質的価値(=ラベルとしての価値)に注目して選ぶのが良いと思っています。
ここで、教育学部について言及しますね。
教員免許の取得について
- 特に総合大学の場合は教育学部でなくても教員免許を取得できることが多いです。
教員免許を取得できない(=教職課程が設置されていない)大学でも、通信制大学などと併用すれば教員免許を取得することは可能です。 - ただ、普通の学部の勉強に教職課程が加わるので負担は1.5~2倍くらいにはなります。
私も教職課程を取っておりましたが、かなりキツかったのと、そこまでして教員になりたいとは思わなかったので3ヶ月で挫折しました。
なので、「将来教員になる!」と決めている方は大学のレベルを大きく落としてでも教育学部へ進学されることをオススメします。
さらに、教育についても言及します。
小中高生と学校生活や部活動を通じて触れ合うこと自体に喜びを感じられるのであれば教員を目指せば良いとは思いますけど、「本質的な部分で若者と向き合いたい」「教育的な問題を根本から解決したい」と思うのであれば、教員になるというアプローチはあまり正しくはないでしょうね。
教員の仕事って授業や学校行事を円滑に行う、いわば誰でもできる定型業務で、教育を大きく変える仕事にはなり得ないんですよね。
教育を大きく変えたいのであれば、NPO法人か株式会社を通じて、ビジネスを以って世の中へアプローチした方がよほど適切かと思われます。
ということで、教育に興味のある質問者さんにお伝えしたいことは以下の2つです。
- 教員に興味があるのであれば、学部を優先して教育学部がオススメです。
- 教育自体に興味があるのであれば、大学を優先して少しでもネームバリューのある大学に進学することをオススメします。
ネームバリューがあった方がいろいろなチャンスが回って来やすいのは割と事実なので…。
大学に入学したら、教育やビジネスについて本気で勉強し、本気で行動しましょう。そうすれば、質問者さんの人生はより豊かなものになると思われます。
最近教育に強く心惹かれ教育学部を志望していたのですが明らかに他学部(経済を除く)より今年はハードルが高いです
高校生活はすべてその大学に行くために勉強をしてきたのですが、優先すべきは学部と大学どちらだと思いますか?
大学生としての一意見をお聞かせください。