「どの模試を受けるべきですか?」
「模試はどの程度参考にすれば良いですか?」
「模試はたくさん受けた方が良いですよね?」
私は以前ツイッターで受験生の勉強相談に乗っており、そこでよく上のような質問をされました。
たくさんの模試を受ける受験生が多いようですが、私は必要がないと考えております。
その理由が3つありまして、それを説明します。
演習効果が低いから
模試でわからない問題が出たときに、当然ですがすぐに答えを確認することができません。
模試が終わらないと解答は手に入らないので…。
問題がわからなかったときは、問題意識が明確なうちに解答を確認して素早く理解する必要があります。
しかし、模試はそれができないわけですから、極めて演習効果が低いと言わざるを得ません。
採点がいい加減であるから
大手予備校の記述採点の業務に携わったことがありますが、加点ポイントがあればとりあえず正解にしてしまいます。厳しめに採点するとクレームが来てしまう一方、甘めに採点すればクレームは来ないですからね…。模試の採点は「正確に行う」というよりも「クレームが来ないように行う」ということにならざるを得ません。
それ以外に、私が受験生の頃に東大オープンや東大実戦を受験した時に、以下の3つの不満を抱きました。
- 加点ポイントを満たしていないのに、その小問で満点が入っている。
- 逆に加点ポイントを満たしているのに、加点がされていない。
- バツがついた箇所についてコメントが欲しいのに、コメントがない。
特に3点目は結構致命的で、コメントがなければ自分の記述で改善すべき箇所にほとんど気づけないですからね…。記述能力を上げたいのであれば、自分の答案にコメントをしてもらうことはすごく大切です。
(もっとも、「添削をしてもらう」よりも、「まずは模範解答の記述を写経して解答の書き方を身体に叩き込む」方が記述能力の向上は早いんですけどね。
採点に携わっているのですが、答案の8~9割に対して「解答の書き方がなっていない」と思うので…。まずは模範解答を真似て、解答の書き方から勉強するべきだと思います。)
学力を把握するのに不適切だから
これは高1・高2生を対象とした模試や高3・高卒生を対象とした総合模試(記述)について。
それらの模試での点数や偏差値が高く出ても、それはその模試の傾向における適正が高く出たというだけです。
自分の志望校の傾向において高い点数を取れることの証明にはならないので、適切な学力の把握に用いることはできません。
それ以外の模試は大学別模試と高3・高卒生を対象としたマーク模試があります。
大学別模試について、東進以外の模試は返却が1ヶ月後と遅く、ほとんど反省に活かせないので東進以外は受けるだけ無駄だと思います。まあ、これは東進以外の記述模試全般に言える話なんですけどね…。
マーク模試は自己採点で自分の学力をその日のうちに把握することができますが、それってセンター過去問やマーク問題集でもできることですからね…。高い模試代と丸1日を費やしてまで受ける必要性はあまりないと思います。
それでも模試を受けたい方へ
模試にはほとんんどメリットがないことを説明しましたが、そんな私でも東進の大学別模試は受験するように家庭教師の生徒様にはお伝えしております。
東進の模試のメリットを説明する前に、大学別模試全般について以下の2つのメリットがあることはお伝えしておきます。
- 採点がいい加減なことがあるとはいえ、他人の採点は貴重であり、採点基準と併せて自己採点能力を向上させることができる点。
- その大学の試験の解答フォーマットで演習することができる点。
その中で東進の大学別模試のメリットは以下の3点です。
- 「本番レベル」を謳っており、6月の模試でも本試と同レベルの難易度である点。
- ゆえに過去問の点数と同様の扱いができ、学力を把握するための指標として用いることができる点。
- 返却が10日後と早く、なんとか反省として用いることができる点。
ゆえに、東進の大学別模試は受けても良いのかな…とは思います。
東進で大学別模試が実施されていない大学を受験される方は、赤本で過去問を解き、自己採点を行い、自分の学力を把握すれば良いのではないでしょうか。
それと、模試を受ける場合は以下の記事を参考に徹底的に復習をすると学力の向上につながりやすいです。参考にしてもらえると嬉しいです。
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