子どもに注意しても全く効果がないたった1つの理由

お子様って学校やご家庭で様々な問題を起こしますよね。
学校で同級生と喧嘩をするとか、そういう大きなことでなくても、ものの扱いが乱暴だったり、乱暴な言葉遣いをしたり。
大人では考えられないような行動をすることも多いと思います。

そういう場合に親御様は「~しなさい!」「~しないようにしなさい!」のように注意すると思いますが、全くもって効果がないんですよね。
というか、全く効果がないと普段お子様と接していて思うと思います。一時的にその場は収まっても、再び同じことをやるというか…。

その理由はたった1つで、そういう言動を誘発する(そういう人間性にならざるを得ない)環境にお子様が身を置いており、その環境を改善しない以上どのように注意をしても無駄だからです。
どういうことかというと…。
20歳くらいまでの方って、ほとんどの方が実家で暮らしていると思われます。つまりご家族と暮らしているということです。
時間的な割合でいうと50%くらいですかね。結構な割合の時間をご家族と一緒に過ごされております。
人間って自分に対するインプットで人間が作られます。勉強で例えると、良い教材で勉強する(つまり良いインプットをする)と成績は伸びやすいですし、分かりづらい教材で勉強する(つまり悪いインプットをする)と成績は伸びづらいです。だからみなさん良い学校や塾を選ぶわけで…。
それと一緒で、ご家庭の雰囲気やご家族の人間性の良し悪しでお子様の人間性も決まります。まあ当たり前ですよね。お子様が10~20年生きているとして、その50%をご家族と過ごしているのであれば影響を受けないわけがないです。
もっというと、経済的にも精神的にもあらゆる面でご家庭に依存しなければお子様は生きていけないわけですから、「心を占める割合」は80%くらいになると思います。つまり、「人間性を形成するほぼ全てのインプットがご家庭の影響を受ける」と言っても大げさではないのではないでしょうか。
そうなると、こんなことが言えますよね。

  • 学校で多少悪い影響を受けても、ご家庭が健全であればお子様はその影響をほとんど受けないで済む(受けたとしても一時的なものとして済む)
  • ご家庭が健全でないと、外部でいくら良い教育を受けても、その効果がほとんど現れない。

(ちなみに、感覚的で申し訳ないですが以上のことは家庭教師をしていてすごく実感します。
少し別の表現をすると以下のようになります。

  • 成績が伸びる生徒様のご家庭は「お子様がとても自由に振る舞える」「ご家族の教養のレベルが高い」
  • 成績が伸びない生徒様のご家庭は「お子様を見ていて、親御様からの何かしらの抑圧を感じる」「ご家族の方があまり勉強をしていなさそう」

当然例外はたくさんありますし、成績が伸びやすいことでご家庭の全てを肯定するわけではないんですけどね。)

ここで、事例を挙げてもう少し具体的な話をしますね。

  • お子様が学校で暴力をふるった
    →親御様が普段ご自宅で暴力や恫喝を行なっていませんか?暴力的なTV番組を一緒に観て笑って楽しんでいたりしませんか?
    仮にお子様がご家庭の外で暴力的な情報に触れたとしても、ご自宅で暴力や恫喝が全く行われず、それらの行為に対して否定的であれば、お子様が暴力を振るうということはないはずです。
  • お子様の言葉遣いが悪い。他人を見下したりバカにしたりする発言をする。外見などで差別する発言をする。
    →親御様が普段ご自宅でそういう発言をしていませんか?バラエティ番組などで誰かをバカにするような内容が多いですが、それを一緒に観て笑って楽しんでいたりしませんか?「悪口を言わない」「他人をバカにしない」「他者や社会を批判しない」「否定から入らない」「差別的な発言をしない」ということを親御様自身が徹底できていますか?
    赤ん坊が周りの大人から言葉を学ぶのと同様、ある程度成長した人間だって周りの人間から言葉(もっと言えば人間性)を学びます。一時的ならともかく、常日頃からお子様がそのような発言をするのであれば、親御様自身の言動を見直した方が良いと思います。
  • お子様が落ち着きがない
    →親御様も落ち着きがないのではないですか?「家で親御様が暴力や恫喝を行う」「お子様に命令口調で話したりしてお子様にストレスをかなり溜めてしまっている」「ご家庭でも様々な要求をされ、ご家庭ですらお子様に逃げ場がない」というような環境を作っていませんか?
    お子様が安らげる環境がないと、当然のことながら何かしらの反応を示します。環境についても見直した方が良いと思います。

つまり、お子様のあらゆる問題を解決するには、お子様を注意するのではなく、まずは親御様の言動、つまり人間性を改める必要があります。
(ちなみに、お子様に「~しなさい!」と注意してその場を収めることを当たり前としていると、お子様も「自分より下のものに対して、立場などを活かして暴力や恫喝で収める」という人間になります。そこまでは行かずとも、暴力や恫喝、命令を常日頃受けていれば、人格形成に良い影響を与えないことは明白です。大なり小なり思い当たるところはあるのではないでしょうか…?)

それで、どのように親御様自身が改めれば良いのかという話なのですが、こちらもすごく難しいです。
というのも、親御様自身が普段の人間関係で人間が形成されているからです。
具体的には、職場、配偶者、ご両親、ご兄弟、親族、ご友人…などですね。
親御様自身の人間の形成に悪い影響を与えている関係があれば、それは解消すべきなのですが、なかなか難しいですよね。
解消するとすれば以下のようなアプローチになりますが、難しいもの(過激なもの)もあると思われます。

  • 職場
    →転職、独立、起業。専業主婦(夫)もありですが、そうすると配偶者への依存が強まってしまい、あまりオススメはしません。
  • 配偶者
    →別居、離婚
  • ご両親、ご兄弟
    →連絡を取らない、絶縁する
  • ご親族
    →お盆や正月、冠婚葬祭のイベントに一切参加しない
  • ご友人
    →連絡を取らない

ざっと挙げましたが、厳しいものも多いですよね。
ただ、どれ1つを取っても、環境が悪ければそれだけで親御様に多大なストレスがかかってしまい、親御様自身の人間性に大きな悪影響が出るのは明白なはずです。
本を読むなどして自己研鑽をすることも大切なのですが、それを大きく上回るくらい悪い人間性を解消するというのが大切になります。
どこかで大きな決断をされることは、お子様だけでなく親御様自身の人生の為にも重要なのかなとは思います。

それらの人間関係を解消した上で、さらに自己研鑽を積むというのが、親御様が人間的に成長する上で大切になります。

例えば読書。子育てに有益になりそうな分野(精神医学、心理学、幼児教育、発達障害、行動経済学etc)は当然なのですが、ビジネスマンとしての成長も大切になります。
ビジネスは社会とのコミュニケーション活動です。ビジネス能力が向上すれば自分に集まるヒトや情報が大きく変わります。
なので、子育てのためだけではなく、自分のビジネスマンとしての能力を引き上げるための分野(思考フレームワーク、民法、最先端技術、金融etc)についても勉強する必要があると思います。
他の記事やTwitterでオススメの本を紹介しておりますので、よろしければそちらをご覧頂けますと幸いです。

子育て

子育てに役立つ書籍7選【お子様との接し方は大丈夫ですか?】

2018年10月7日

Webの記事でも良いものはあるのですが、良いものと悪いものの判別がつきづらいのが難点です。(本の場合は有料コンテンツということもあり、ある程度の質は担保されております。)
ある程度情報が身についてくると、Webの記事の良し悪しの判別がしやすくなるので、まずは読書をオススメします。
(Webの記事でオススメのものがいくつかあるので、よろしければこちらをご覧頂けますと幸いです。)

子育て

子育てに役立つWebページ7選【お子様のことを理解できていますか?】

2018年10月7日

TVはよくないですね。基本的に視聴率を取るための気を引くコンテンツがメインになりがちで、情報として適切かは二の次になるので…。
なので、TVはなるべく観ない方が良いですね。TVは強くインプットされてしまうのですが、悪い情報をインプットしてしまうと人間性にかなりの悪影響が出るので…。

ということで、長々と書きましたが、お伝えしたいことは
「暴力的な親御様に囲まれていれば暴力的なお子様になります」「教養に溢れた親御様に囲まれていれば教養に溢れたお子様になります」「普段明るく元気に過ごす親御様に囲まれていればお子様も明るく元気に過ごせます」
というわりと当たり前のことです。
「育てたように子は育つ」「親御様の背中を見てお子様は育つ」というのも、まあ当てはまるのかなと。

最後に、この言葉をお送りしたいと思います。
この言葉で上記で説明したほとんどのことを代弁できるのかなと。
以前にマッキンゼー&カンパニー日本支社の社長をされていた大前研一さんの言葉です。

人間が変わるための3つの方法 by 大前研一

人間が変わる方法は3つしかない。

1番目は時間配分を変える。

2番目は住む場所を変える。

3番目はつきあう人を変える。

この3つの要素でしか人間は変わらない。

最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。

つまり、「~しなさい!」と注意する(子供に「決意を新たにする」ことを強要する)のではなく、まずは親御様自身から時間配分や環境、人間関係を変えていき、お子様の時間配分や環境、人間関係を変えてあげる必要があるということです。

子育ては大変だとは思います。多くの方はお仕事もされており、なおさら大変ですよね。
ですが、そのお子様は親御様にとっての大切な人間というだけでなく、将来社会を支えていく一員として、社会にとってもとても大切な人間です。
「成人を迎えたころに、人々に幸せを届けられる人間として社会に送り出す」
僭越ではございますが、そのような意識でお子様と時間を共にしてほしいというのが、同じくお子様と時間を共にする活動をしている私からの願いです。

参考になりましたら幸いです。

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